「ミニPC 1台で70B〜120Bクラスの超大型ローカルLLMが動く」と話題を集めているGMKtec NucBox EVO-X2(Ryzen AI Max+ 395搭載)ですが、高価な買い物だけに「本当に後悔しない?64GB版と128GB版のどちらを選ぶべき?」と迷っていませんか?
結論から言うと、GMKtec EVO-X2は当サイトのローカルLLM用ミニPCランキングで堂々の第1位(96点/100点)を獲得した決定版ですが、「オンボードメモリで後から増設できない点」と「64GB版のVRAM割り当て上限(32GBの壁)」を知らずに買うと後悔します。
GMKtec EVO-X2で後悔する「3つの買ってはいけない境界線」
GMKtec EVO-X2は圧倒的な性能を持つ一方で、一般的なパソコンとはメモリの仕組みが異なります。購入前に必ず確認しておきたい3つの境界線(注意点)を整理しました。
境界線①:後からメモリ増設は一切不可!「64GB版」と「128GB版」の決定的な壁
最大の注意点は、通常の交換式メモリ(SO-DIMM)ではなく、基板に直接ハンダ付けされた「オンボードLPDDR5X-8000メモリ」を採用している点です。データの通り道(256bitバス幅)を通常の約2倍に広げるための設計であり、購入後に自分でメモリを増設・交換することは物理的にできません。
さらに重要なのが、Windows環境における「VRAM(GPU専用メモリ)割り当て上限の違い」です。64GBモデルでBIOSからVRAMを48GBに設定しようとすると、Windows側のシステムメモリ不足(スピルオーバー)でエラーが発生しやすいため、64GBモデルの実用上のVRAM上限は32GB(メインメモリと1:1の半分)までとなります。
| 比較項目 | 👑 128GBモデル(本命・推奨) | 64GBモデル(中規模モデル向け) |
|---|---|---|
| 搭載メモリ容量 | LPDDR5X-8000 128GB(増設不可) | LPDDR5X-8000 64GB(増設不可) |
| Windowsでの実用VRAM上限 | 最大 96GB(システム用に32GB残る) | 実質 32GBまで(1:1比率が安定上限) |
| 快適に動かせるLLM規模 | 7B〜70B・120Bクラスまで全対応◎ | 7B〜32Bクラスまで快適(70B超は不可×) |
| こんな人におすすめ | 将来にわたって容量不足で後悔したくない人 | 32B以下のモデルしか使わず初期費用を抑えたい人 |
境界線②:「128GBすべてをVRAMにできる」という誤解とBIOS設定のコツ
128GBモデルであっても、128GBのすべてをGPU用メモリ(VRAM)に割り当てられるわけではありません。Windows OSやアプリを動かすための領域として最低32GBを残す仕様になっており、BIOS(UMA Frame Buffer Size)で設定できるのは初期値64GB、最大で96GBまでです。
普段30B〜70Bクラスを使うなら初期値の64GB設定(システムメモリ64GB+VRAM 64GB)でバランス良く動作し、100B〜120Bクラスの超大型モデルを読み込むときだけBIOSまたは専用ツールで96GBへ切り替えるのが最も安定した運用方法です。
境界線③:電力モード(P-MODE)のファン音と初期アプリ「AIPC」の容量占有
本体前面の「P-MODE」ボタンで3段階の電力モード(Quiet 54W / Balance 85W / Performance 120W〜140W)を切り替えられますが、最大出力のPerformanceモードでは消費電力が約40%増えるのに対し、処理性能の向上は約11%にとどまり、ファン騒音も最大約54dBAまで上がります。
2. 不要なら初期アプリ「AIPC」を削除して約68.5GBを空ける:出荷時にプリインストールされている体験用アプリ「AIPC」は専用モデルデータ等でSSDを約68.5GB占有しています。LM StudioやOllamaをメインで使う場合はアンインストールすることでSSD容量を広く使えます。
GMKtec EVO-X2のローカルLLM推論スピードを徹底検証!
GMKtec EVO-X2が他のミニPCを圧倒する理由は、実効最大216.1GB/sに達するメモリ帯域幅と、デスクトップ用GPUに迫る40コア(2,560シェーダー / 14.85 TFLOPS)の内蔵GPU「Radeon 8060S」にあります。
一般的な上位ミニPC(Ryzen AI 9 HX 370 / Radeon 890M搭載機)と比較すると、7B〜32Bモデルのトークン生成速度は約2.7倍〜3.1倍高速であり、128GB版なら120Bモデルも実用速度で動作します。
| 検証モデル規模(4bit量子化等) | GMKtec EVO-X2 | 一般的なHX 370搭載機 | 実用感・速度差の目安 |
|---|---|---|---|
| 小型:7Bモデル (DeepSeek R1 Distill Qwen 7B) |
43.15 tok/s | 15.72 tok/s | 約2.7倍高速 待ち時間ゼロで即答 |
| 中規模:14Bモデル (Qwen 2.5 14B Japanese) |
21.97 tok/s | 8.03 tok/s | 約2.7倍高速 日本語長文もスムーズ |
| 準大規模:32Bモデル (Qwen 2.5 32B Japanese) |
10.47 tok/s | 3.38 tok/s | 約3.1倍高速 32GB VRAM内で完結 |
| 超大規模:120Bモデル (gpt-oss-120b / 128GB版のみ) |
32.45 tok/s (公称平均 19.25 tok/s) |
メモリ超過で動作不可 | 96GB VRAM割当で動作 (※LM Studio Vulkan設定時) |
※120Bモデルの速度はMoE(Mixture of Experts)構造モデル・4bit量子化・LM Studio(Vulkan v1.50.2)環境での測定例であり、使用するモデル構造やコンテキスト長によって速度は変化します。
新型「EVO-X3」や下位機「EVO-X1 Pro」と何が違う?姉妹モデル比較
購入時に迷いやすいのが、後から登場した派生モデル「GMKtec EVO-X3」や下位モデル「GMKtec EVO-X1 Pro」との違いです。
「型番が新しいEVO-X3の方がAI性能も高いのでは?」と思われがちですが、実はEVO-X2とEVO-X3のCPU・内蔵GPU・メモリ帯域幅は完全に同じです。むしろ単体で使うなら、USB4が2基ありDisplayPortやSDカードスロットも備えたEVO-X2の方がインターフェースが充実しており、本体もコンパクトにまとまっています。
| 比較項目 | 👑 GMKtec EVO-X2(本機) | GMKtec EVO-X3(派生機) | GMKtec EVO-X1 Pro(下位機) |
|---|---|---|---|
| 搭載SoC / GPU | AI Max+ 395 / 8060S (40CU) | AI Max+ 395 / 8060S (40CU) | AI 9 HX 470 / 890M (16CU) |
| メモリ仕様・帯域 | LPDDR5X 64/128GB (256bit) | LPDDR5X 128GB (256bit) | LPDDR5X 64GB (128bit) |
| OCuLink端子 | 非搭載(単体完結設計) | 標準搭載 | 標準搭載 |
| USB4・映像・SD端子 | USB4×2、HDMI、DP、SD有◎ | USB4×1、HDMIのみ(DP・SD省略) | USB4×1、HDMI、DP |
| サイズ・重量 | 193×185.8×77mm(約1.68kg) | 353×186×41mm(約2.3kg・大型薄型) | 超小型ボックス型 |
| おすすめの選び分け | 1台完結で大規模LLMを回すなら最も高コスパで端子も充実 | 外付けGPU用のOCuLink端子がどうしても必要な人向け | 32B以下の中規模モデル+OCuLinkを手頃に組む人向け |
GMKtecはどこの国のメーカー?安全性(技適・PSE)と保証体制
GMKtec(ジーエムケーテック)は、中国・深圳に本社を置くミニPC専業メーカー(Shenzhen GMK Technology)です。日本国内では正規代理店(株式会社リンクスインターナショナル等)による取り扱いおよび日本語公式ストア・大手EC直営ストアが展開されています。
・OSライセンス:法人・開発用途でも使いやすい正規のWindows 11 Pro(OEMライセンス)が標準搭載されています。
EVO-X2が合わない人におすすめの代替ライバル機 2選
「120Bの超大型モデルまでは使わないから、もっと静かで後からメモリやSSDを増設できる機種がいい」「3年保証がついたさらに小さい機種が欲しい」という方には、ランキング第2位・第3位の以下2機種が最適です。
代替①:【ランキング第2位】Minisforum AI X1 Pro-470(総合93点)|電源内蔵・超静音・OCuLink&SSD 3基
・巨大な230W ACアダプタが必要なEVO-X2に対し、AI X1 Proは135W電源を本体に内蔵(細い電源コード1本のみ)でデスク上がスッキリ片付きます。
・高負荷時も最大36.8dBの超静音で、DDR5メモリ交換(最大128GB)・M.2 SSD×3基・OCuLink端子を完備。14B〜32Bモデルの運用と将来の外付けGPU拡張を両立したい方に一番おすすめです。

代替②:【ランキング第3位】GEEKOM A9 MAX 2026年版(総合91点)|0.84L超小型金属ボディ&日本公式3年保証
・EVO-X2(約1.68kg)の半分以下となる約695g・容積0.84Lのコンパクトな高剛性アルミ筐体を採用。
・日本公式ストアでの標準3年保証が付帯し、メモリを64GB(32GB×2枚)へ増設したり、USB4経由で外付けGPUを繋いで推論速度を約6.9倍へ引き上げたりできる安心感抜群の1台です。

GMKtec EVO-X2に関するよくある質問(FAQ)
- GMKtec EVO-X2の「64GB版」を買って後から128GBに増設できますか?
-
できません。256bitの広いメモリ帯域を実現するため、メモリチップが基板に直接ハンダ付け(オンボード実装)されています。70B〜120Bクラスの大型モデルを動かす予定があるなら、必ず最初から128GBモデルを選んでください。
- BIOSでVRAM(グラフィックスメモリ)を96GBに変更する手順は難しいですか?
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簡単です。電源を入れて起動時に「Delキー(またはF2キー)」を連打してBIOS画面に入り、「Advanced」➡「GFX Configuration」➡「UMA Frame Buffer Size」から64GBまたは96GBを選んで保存・再起動するだけで完了します(AMD Software上から切り替えられる場合もあります)。
- 新型の「EVO-X3」とどちらを買うべきですか?
-
外付けGPUをOCuLinkで繋ぐ予定がなく、ミニPC 1台でローカルLLMを完結させたいならEVO-X2がおすすめです。CPU・GPU・メモリ性能はEVO-X3と完全に同じでありながら、EVO-X2の方がコンパクトで、USB4×2・DisplayPort・SDカードスロットなど端子類も充実しています。
- SSD(ストレージ)は後から自分で増設できますか?
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はい、メモリは増設不可ですが、M.2 2280 PCIe 4.0 SSDスロットは2基搭載されており、1基が空いています。数十GBあるLLMモデルファイルを大量に保存したい場合も、市販のM.2 SSDを追加して最大16TBまで簡単に拡張できます。
- EVO-X2の横で24時間稼働させるファイル置き場・自動化サーバーにおすすめの機種は?
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EVO-X2はAI推論時にしっかりパワーを使うため、24時間365日つけっぱなしにするデータ保存(NAS)や自動化ボット用には、同じGMKtecの超省電力ミニPC「GMKtec G11(Intel N150搭載)」をサブ機として組み合わせると電気代と騒音を最小限に抑えられます(下の関連記事参照)。
まとめ|GMKtec EVO-X2は「128GB版」を選べばローカルLLM用ミニPCの最高峰!
GMKtec EVO-X2は、これまで巨大なタワーPCや外付けGPUが必須だった大規模ローカルLLMの世界を、お弁当箱サイズのミニPC 1台だけで実現できる唯一無二の1台です。容量選びで後悔しないよう「128GBモデル」を選んで、月額課金ゼロ・情報漏洩ゼロの最強ローカルAI環境を手に入れてください。
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